
今日は、銀行業界×人工知能(自然言語処理)です。
■なんで新規アイデア考えてるの?
新規アイデア作成のためのシートの公開もしています
では以下今日のアイデアです。
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【市場整理】
まず市場を。全国銀行協会が出している全国銀行決算の経常収益(一般的な企業で言う売上)を見ると、
約15兆9千億円とのこと。(リーマン前の2008年は約18兆9千億円)
出所 :全国銀行協会(2015)「全国銀行の平成26年度決算の状況」
http://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/abstract/stats/year2_01/cont_2014_terminal/stat0527_1.pdf
上記を見てみると、経常収益のうち61%占めるのが、資金運用収益となっている。
※資金運用収益とは?
銀行が、預金等により調達した資金を貸出金や有価証券で運用することによって受け取る貸出金利息や有価証券の利息配当金等、資金の運用によって得られる収益(資金運用収益)
出所 : あおぞら銀行
http://www.aozorabank.co.jp/ir/finance/highlight/yougo.html
資金運用収益をもう少し細かく見てみると、資金運用収益から費用を引いた資金利益について、
少し古いが日本銀行の論文では、貸出関連が利益の大半を占め、有価証券関連は比率は少ない。
出所 : 日本銀行(2014)「2013年度銀行決算の概要」
https://www.boj.or.jp/research/brp/ron_2014/data/ron140808a.pdf
また、以下も同様の日本銀行の論文だが、銀行のB/Sが掲載されていて、
大手行は、負債(預金など)のうち半分くらいは企業等への貸出で使っていて、
30%くらいは有価証券、うち国債が約半分となっている。
出所 : 日本銀行(2014)「2013年度銀行決算の概要」
https://www.boj.or.jp/research/brp/ron_2014/data/ron140808a.pdf
さて、銀行と言うとマイナス金利の話が避けて通れないと思うが、
以下のブログに詳しく説明があったので転記させていただく。
日銀は2008年9月のリーマンショックの後、民間の銀行が日銀口座に預ける預金残高のうち所要準備額(日銀に必ず預けなければいけない金額)を超えた金額(超過準備額)に対して0.1%の金利をつけてきました。それが今回のマイナス金利導入により大きく変わります。具体的には日銀口座の預金残高(上図でいう日銀当座預金残高)を、上図のとおり①基礎残高:0.1%②マクロ加算残高:0.0%③政策金利残高:-0.1%と3段階に分け、それぞれ異なる金利を設定しました。なお、今回の政策変更による新しい金利の適用は、2016年2月16日からとなります。
①基礎残高とは、民間の銀行がこれまで日銀口座に預けてきたお金のうち所要準備額を超える金額、超過準備額です。既存の超過準備額(正確には2015年1月~12月までの平均残高)に対しては0.1%の金利が継続されます。②マクロ加算残高とは、所要準備額、日銀が特別にゼロ金利で一般の銀行に貸し出す金額(貸出支援基金および被災地金融機関支援オペ)、日銀が一定の計算により適宜加算する金額の3つが対象で、これらの残高についてはゼロ金利が適用されます。そして、日銀口座の預金残高から①、②を除いた金額(政策金利残高)に対して-0.1%の金利が導入されます。
日銀の当座預金残高はというと、現在おおよそ250兆円、そのうち①が210兆円程度、②が40兆円程度ですので、現在時点ではマイナス金利が適用される部分は殆どない(数兆円程度)というイメージです。ですので、「マイナス金利導入!」と言っても、目先で劇的な変化が起こるわけではないのです。
出所 : http://money-and-finance.hatenablog.com/entry/2016/02/01/005507
マネタリーベースを年間80兆円増やす計画の中で、マイナス金利がかかる政策金利残高が増えていくにつれ、
銀行への負担が増えるということになる。
また、先に示したように大きな運用先となっている国債の長期の金利が低下しており、
銀行の経営に大きな影響を与えるだろうと言われている。
本記事ではマイナス金利、国債金利低下によって、銀行経営が苦しくなり、
銀行の統合が進むという指摘が見られる。
20年物国債の金利の推移
出所 : ダイヤモンドオンライン「マイナス金利が金融機関の経営を圧迫し地方銀行の合併を加速する」
http://diamond.jp/articles/-/87150?page=3
今後銀行が統合をし、規模拡大によって体力をつけつつ、業務の効率化を進めていく上で、
本来は更にどういう課題があって、どうしていくかを考えていきたいところだが、
今回も時間の関係上、ひとまず調査はここまでとし、、、
例によって感覚的な決め打ちで自然言語処理をどう活かせるか考えてみたい。
今回は銀行が貸出業務をより効率化させるためのアイデアを考えてみた。
(まあありがちですが、、、)
【対象企業】
・融資を積極化させたい銀行
【アイデア内容】
・融資対象となる企業の自動抽出システム
【ビジネス詳細】
・企業のブログ、HP、求人情報、SNS等をクローリングし、テキスト情報を取得
・取得した情報を解析し、資金需要が推測される用語群(売上増加、求人増加、オフィス移転(増床)、新規商品/サービス開発、設備投資、上場志向、企業買収等)が含まれる企業群を抽出し、融資担当営業にリストを提示
【効用/解決する課題】
・融資対象を早期に発見できる
(例えば、信用調査会社から営業リストを買い、彼らの評点や財務情報を元に審査して、対象になりそうなところに営業する、というプロセスだと後手となる)
【インプット】
・スクレイピングしてきた企業に関する各種データ
【その他】
・銀行だけでなく、他業種でも使えるかも?
・ベンチャーキャピタルは嬉しいかも
・一般的な企業の営業支援としては、積極的に情報発信している企業の比率から考えると、抽出出来る企業数が多くなさそうなので物足りないかも
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今日は以上です。
※30分~1時間程度での思考訓練のための記事ですので、厳密性にはこだわっていません。