【新規事業/取り組みアイデア】宝飾品小売業界×人工知能(画像認識)

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今日は、宝飾品小売業界×人工知能(画像認識)です。

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では以下今日のアイデアです。

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【市場整理】

まずは市場規模から。1991年頃には、3兆円ほどあった市場はその後急減し、2011年には8900億円まで落ち込んでいるものの、直近は1兆円近くまで回復してきている。

また、2020年までの予測としては1兆円を超えるという予測となっている。

 

国内宝飾品(ジュエリー)市場規模推移と予測

1
出所 :矢野経済研究所(2016)「宝飾品(ジュエリー)市場に関する調査結果 2016」

http://www.yano.co.jp/press/pdf/1509.pdf

 

宝飾品業界のビジネスプロセスについて調べてみると、

以下のような形になっているとのこと。

中間業者がいくつも入って金額が高くなっていた構造から、

小売店が直接輸入する形が誕生し、近年ではリサイクルジュエリーとして中古を買取、再販する形も出てきているようだ。

 

販売価格を高くする中間問屋の存在(5段階流通)

5段階流通の流れとその価格例

新しい宝石小売店(2段階流通)の誕生

2段階流通の流れとその価格例

市民権を得たリサイクルジュエリー

リサイクルジュエリー流通の流れとその価格例

出所 : 福岡宝石市場

https://www.feelsogood.jp/jewelry_buy.html

 

リサイクルジュエリーについてもう少し調べてみると、日経の記事によると、

生活者がジュエリーを売る際の値付けが店によって23倍の差が発生しているとのこと。

 

ダイヤモンドは最安値が1万5千円で最高値は35万円だった。価格差はなんと23倍。2店が「石だけではダメ」と査定をしなかった。エメラルドの指輪は1万1000円が最も安く、最高で20万円だった。こちらも18倍の差がついた。

出所 :日本経済新聞(2015)「価格差23倍も 宝石の買い取り価格はこんなに違う」
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDJ24H1R_V20C15A6I00000/

 

生活者にとっては自分が持っている宝石がそもそもどれくらいの価値があるのか手早く知りたいだろうし、

また、相場が分かった後にはより高く売りたいと考えることが想定されるが、

より高く売る方法として上記記事で紹介されているような、

複数店舗を回るようなことは非常に面倒であることは容易に想像が出来る。

 

このような状況を踏まえ、以下のようなアイデアを考えた。

 

【ターゲット】

・宝石を出来る限り簡単に高く売りたい生活者

【対象企業】

・生活者と宝石店の間をつなぐwebサービス会社

【アイデア内容】

・簡単ネット査定+オークション見積もり

【ビジネス詳細】

・画像で分かるレベルで、まずは相場価格を出せるように、自動画像認識及び自動価格計算システムを組み込む

※ルーペで見ないと分からないキズや、その他職人領域以外のところでまずは簡易鑑定をすることを目的とする

・元となる画像データ、評価観点、それによる金額感は、宝石店との提携によって取得

・具体的には、ユーザーが売りたい宝飾品の写真を撮影し、ネットにアップロードすると、種類、色合い、輝き、またリング側のプラチナの純度といったところを認識し、金額計算を行う

(色や輝きに対応する金額のラベルを学習させ、その加算値を吐き出す仕組み)

(プラチナは前述の日経の記事によると明確に計算が出来るので比較的自動化しやすそうな部分)

※評価観点は例えば以下を参考に、

◆ルビーの査定ポイント◆

①色合い  (最高の色合いのルビーは、ミャンマー産の「ピジョンブラッド=鳩の血」といわれているものです。)
②内包物の状態
③テリ・輝き
この3つの査定ポイントを大きさと照らし合わせて点数化し
査定時点での需要と供給の情報から査定金額を算出しています。
また、スタールビーは形状やアステリズムのバランスも評価のポイントとして加わります。

◆サファイヤの査定ポイント◆
①色合い  (最高の色合いはインドのカシミール地方産出の「コーンフラワー」と呼ばれるものです。)
②内包物の状態
③テリ・輝き

この3つの査定ポイントを大きさと照らし合わせて点数化し
査定時点での需要と供給の情報から査定金額を算出しています。

出所 : https://www.selby.co.jp/jewelry-kaitori/index.html

・上記でおおよその相場を掲示した後に、相見積もりを取得すべく、提携各社に画像データを送り、興味がある会社に可能性がある見積もりを提示させ、オークション形式で一番高いところにユーザーは店舗に足を運ぶ/郵送見積もりを行う等が出来る仕組みとする

【効用/解決する課題】

・生活者にとっては:相場が分からない中で複数店舗を回ることが面倒なので安く買い叩かれるという課題解決

・企業にとっては:高価買い取りが可能な店舗にしてみると、より買い取り対象が増え、仕入れがしやすくなる

【インプット/教師データ】

・宝石画像データ

・何がどうであればいくらになる、という査定ラベルが教師データとなる

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今日は以上です。

※30分~1時間程度での思考訓練のための記事ですので、厳密性にはこだわっていません。

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