
このブログでは新規事業をどんどん考えていこうということで記事投稿していましたが、
最近ピーター・ティールの新刊が出たということもあり、『新規事業を考える』ということはどんなことだったかを改めて考えてみました。
目次
ほとんど賛成する人がいないような大切な真実とは、何か?
ピーター・ティール著書の「Zero to One」における有名なセリフ、
「ほとんど賛成する人がいないような大切な真実とは、なんだろうか?」
間接的な質問をいくつか重ねることで、
読者に、あるいは起業家に、
自分で考えてもらうことにしたのです。
たとえば、逆説的な質問になりますが、こういうものです。「まだ誰もはじめていない素晴らしい起業とは
いったいどういうものだろうか?」もう少し概念的にするならば、こういう質問です。
「ほとんど賛成する人がいないような
大切な真実とは、なんだろうか?」
出所:http://www.1101.com/peter_thiel/2015-04-20.html
とても考えさせられますよね。
本書では、正しい答えは次のような形になるはず、とのこと。
「世の中のほとんどの人はXを信じているが、真実はXの逆である。」
また、起業家/投資家の木村さんのツイートで、
自分の中で印象深いツイートがこれ。
今週もアドバイスで何度もいったのですが、新しい事に新しい事をかけ合わせたビジネスをやらないほうがいい。古いことに新しい事をかけ合わせたことをやるほうが上手くいく。自分のプロダクトに新しい事が2つぐらい掛け合わさってないか?自社の事業ポートフォリオバランスもそれでみたがいい。
— SHINJI KIMURA (@shinzizm2) 2017年10月11日
非常に多くのいいねが付いていますが、こちらもとても考えさせられますよね。
目下自分のタスクが、次の事業を何にするのかずーと考えている段階であって、
昨日は会社が休みだったということもあり、近くのジムのプールでウォーキングしながらぼーと考えていて、
「ほとんど賛成する人がいないような大切な真実」って、
どう考えてみようかなーとか、
そういえば、木村さんはあんまり新し過ぎたらダメだよ的なことを言ってたなーとか、
これらをどう考えればいいのかと、ぼーとプールの中で考えた結果、
なんとなく考えがまとまったので、全然大した話ではないのですが、とりあえずブログ記事にしてみたという話。
「大切な真実」の枠組みを考えると2つある?
全然この観点だけじゃなく、他にも捉え方があると思いますし、
大した話でも無いのですが、一つとして、こういう図で表せるかなーと思ったので、
とりあえず結論を図で。
アンゾフのマトリックス的ですが、とりあえずこのブログのテーマでもある、
ビジネスはニーズ×シーズの組み合わせ、ということに沿って図解してみました。
少し図を説明すると、ここで言うニーズやシーズの古い/新しいというのは実証されているかどうか、再現性があるかどうか、によって分けており、また縦軸横軸の矢印の方向により、その程度感も含めて表しています。
ピーター・ティールの言う大切な真実 領域とは
誰も賛成しない、ということの意味は、
今の慣れ親しんだ慣習、行動から大きくずれていて、
それが延長線上でなく予想がしづらいからこそ誰も賛成しない、
ということになると思います。
従って、大切な真実、という領域というのは、現状の延長線上ではないという、
飛び幅の話、程度感の話であって、
1,新しい欲求について、飛び幅があるレベルのものを模索するか、
2,新しいテクノロジー、提供方法を飛び幅があるレベルのものを模索するか、
ということになるのだと思っています。
その両方を満たすものを模索するのも1つかもしれませんが、
先の木村さんのツイートにより、両方満たすものは不確実性がかなり高まる領域であるということが分かります。
グローバルベンチャーがやってる領域
さて、この縦横のマトリックスで考えると、
今独占もしくはそれに近い状態を築いているグローバルベンチャーは(ピーター・ティールはビジネスは競争ではなく独占せよと言っている)、
右上の象限に位置するビジネスをしているように思う。
彼らは基本的に、既存の方法で昔から満たされ再現され続けている強い欲求(市場規模が大きいという言い換えもできるかも)に対し、
その当時では飛び幅のある新しい方法論を当てにいくことで、
大切な真実を見出し、開花したのだろうと思考できる。
【例】
・Google:既存欲求(新聞・テレビ・図書館そしてヤフーで満たされていた、知りたい調べたい)×新方法論(インターネット、検索)
・Amazon:既存欲求(スーパー等リアル店舗で満たされていた、買い物したい(安く、便利に、早く))×新方法論(インターネット、EC)
・アリババ:既存欲求(現地企業同士の取引で満たされていた、安く仕入れたい高く売りたい)×新方法論(インターネット、マーケットプレイス)
・Apple(iPhone):既存欲求(電話やメール、PCで満たされていた人とつながりたい、調べたい)×新方法論(スマホ)
・Paypal:既存欲求(銀行などリアル店舗で満たされていた、支払いをしたい)×新方法論(インターネット決済)
・ビットコインなどの暗号通貨::既存欲求(儲けたい)×新方法論(ブロックチェーンによる非中央集権化された通貨)
※各企業が満たす欲求の網羅性や正しさを深掘りしたいわけではないのでここでは詳細は割愛。
国内ベンチャーがやることが多い領域(イメージです)
一方で、もう1つの大切な真実の象限として、左下の象限があります。
提供の仕方は既存の方法で再現性が確認されている方法だけれども、
ニーズの新しさ、未だ満たされていない欲求(他の人は満たしていると思っていたけど実は違った、とかも)、
に焦点を当てている、というモデルですね。
例えば、少し前で言うと、スマホシフトとかシェアリングエコノミーとかの潮流があって、
UberとかAirbnbの成功を見た時に、
別の業界で、同手法を用い、ニーズを類推してビジネス起こす、みたいなケースが該当します。
確立され再現性が確認されている方法論を、
飛び幅のある新しい欲求に当てにいくことで、
大切な真実を見出し、ビジネスとして開花させるということになります。
【例】
・Facebook:満たされていない欲求(実名でつながりたい)×既存方法論(SNS、後発だった)
・メルカリ:満たされていない欲求(既存ECはスマホでは操作しにくい)×既存方法論(スマホシフト、シェアリングエコノミーとしては後発)
・ラクスル:満たされていない欲求(印刷会社は繁閑があり設備に待ち時間が発生、収益化できていない)×既存方法論(シェアリングエコノミーとしては後発)
※各企業が満たす欲求の網羅性や正しさを深掘りしたいわけではないのでここでは詳細は割愛。
とはいえ双方には相互に関係があるし表裏一体的な話
これまであえて2つに分けて書いてきましたが、完全にキレイに分けれるかというとそうじゃないなーと思い、
ニーズとシーズは相互に関係し合うものだと思うので、ちょっとMECEじゃなく気持ち悪い感はあるのですが、
一旦頭の体操で書き出してみました。
何かの参考になれば!